みなさんは、すっぽんがどのような生きものなのか、詳しくご存知でしょうか?
食用としてはもちろん、愛好家の中ではペットとしても人気です。
すっぽんの生態や、すっぽんに関することわざなどについてもご紹介しましょう。
すっぽんとは
すっぽんは、灰色のカメのような生きもので、日本の本州より南の沼地などに生息しています。
夜行性で普段は水中での生活を好み、小魚やミミズ、昆虫などを餌にします。
もともとそれほど獰猛ではありませんが、臆病な性格から、体を触られると噛み付くことがあります。
歯はありませんが顎の力がとても強く、一度噛み付くと「雷が鳴っても離さない」といわれます。
すっぽんの食用利用
すっぽんは、栄養豊富で健康や美容に良いことが知られ、古くから利用されてきました。
日本では、縄文時代に造られた貝塚から化石が出土しており、中国では約2,000年も前の薬学書に記述がみられます。
すっぽんは捨てるところが少なく、甲羅、膀胱、胆嚢、爪以外はほとんどが食べられます。
専門店で鍋物や唐揚げなどにしてふるまわれるほか、サプリメントや漢方の原料としても用いられます。
国内で出回っているすっぽんのほとんどは養殖物ですが、それでも高級食材であることに変わりはありません。
すっぽんに関することわざ・慣用句
ことわざや慣用句の中には、すっぽんの生態に例えたものがいくつかあります。
「同じ丸いものでも、美しい月と、泥にまみれて醜いすっぽんのように、両者の間には大きな違いがある」という意味のことわざ「月とすっぽん」は有名です。
同じ意味の四字熟語として、「雲壌月鼈」という言葉もあります。
他にも、噛み付いた時の様子から、しつこく何かを追求する人に対して「すっぽんのなにがし」と呼ぶことがあります。
「鼈(べつ)人を食わんとして却って人に食わる」は、愚かな者が自分を顧みず、人を貶めようとしてかえって自分の身を滅ぼすことのたとえです。
このように、ことわざや慣用句の中に多く登場するのは、すっぽんが日本人にとってそれほど身近な生きものだったからなのではないでしょうか。
すっぽんを観察してみよう
最近は生きたすっぽんを目にする機会は多くはありませんが、生簀の中で泳ぐすっぽんを見ることができる専門店もあります。
また、爬虫類や両生類を取り扱うペットショップでは、飼育用として購入することも可能です。
興味がある方は、ぜひじっくり観察してみましょう。