筋肉増強に役立つすっぽんの栄養

すっぽんは、筋肉の増強を目指すアスリートやスポーツ選手におすすめの食品で、筋肉を強くたくましくするために必要な栄養素が豊富です。
今回はすっぽんに含まれる栄養素がどのように筋肉に働くのか、詳しくご説明します。

たんぱく質

すっぽんの肉100gには16.4gのたんぱく質が含まれ、高たんぱく食品として知られる卵黄や鶏肉と同じくらいのたんぱく質量です。

たんぱく質は、髪、爪、臓器、骨、血液など体中のあらゆる部位を構成する重要な栄養素です。
筋肉を作るための材料でもあり、特にスポーツや筋力トレーニングを行う方は十分なタンパク質の補給が大切です。
もちろんアスリートだけでなくすべての人に必要な栄養素で、厚生労働省は成人男性に1日60g、成人女性に50gの摂取を推奨しています。

すっぽん1人前は100gくらいですから、それだけで1日に必要なたんぱく質の3分の1以上は摂取できることになります。

ビタミン

筋肉のためになる栄養素はたんぱく質だけではありません。
たんぱく質を材料に筋肉を作る際、ビタミンなどの他の栄養素の補助が必要だからです。

ビタミンB6

すっぽんの肉100gにはビタミンB6が0.11mg含まれます。
ビタミンB6はたんぱく質とセットで摂取すべき栄養素です。
摂取したたんぱく質を効率よくエネルギーに変え、筋肉や血液を作り出すためにはビタミンB6の働きが欠かせないからです。

すっぽんだけでは1日の推奨摂取量1.4mg(成人男性の場合)に達することができないので、ビタミンB6の豊富なかつおやまぐろなどの食品との食べ合わせがおすすめです。

また、ビタミンB群は単体よりも総合的に摂取することで相互作用が得られ、効果がアップするといわれています。
すっぽんにはB6の他にもビタミンB1、B2、ナイアシン、葉酸などのビタミンB群がバランスよく含まれています。

ビタミンD

すっぽんの肉100gにはビタミンDも3.6μg含まれます。
トレーニングなどで傷ついた筋肉は、たんぱく質によって修復される際により大きくなるといわれています。
ビタミンDにはたんぱく質の合成を促し、修復とともに筋肉の成長を促進する働きがあります。

成人であれば男女ともに5.5μgの摂取が推奨されていますが、すっぽん1人前だけでその半分以上を摂取することができます。

亜鉛

亜鉛はすっぽんの肉100g中に1.6mg含まれるミネラルの一種で、筋肉細胞の代謝を助けて修復や再生を促す働きがあります。
激しい運動やトレーニングを行った後は筋肉に疲労がたまりますが、亜鉛はこの筋肉疲労を回復させるためにも役立っています。
また、筋肉痛を軽減したり筋肉痛からの回復を早める作用もあるのです。

亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンの分泌に関わるミネラルでもあります。
テストステロンは筋肉の合成を促したり精力をアップさせるため、男性は特に十分摂取することをおすすめします。

成人男性で10mg、成人女性で8mgの摂取が推奨されており、牡蠣やレバーなどと一緒に食べるとより多く亜鉛を摂取できます。

強い筋肉をつくるためにすっぽんを食べよう!

筋肉の増強というと、スポーツやトレーニングをしない人には無関係と思われるかもしれません。ところが、誰しも立つ、歩くなどの動作を行う際には無意識に筋肉を使っています。
疲れにくい体づくりや将来の介護の負担を軽減するためにも、すっぽんを食べて体を動かし、若いうちから筋肉づくりを行う習慣をつけましょう。

※各栄養素の推奨摂取量は日本人の食事摂取基準(2015年版・厚労省)による
※食品成分値の出典:Whole Food Catalog