鍋が有名なことから、冬に食べる印象の強いすっぽん。
寒くなってくると食べたくなりますが、すっぽんの旬はいつなのでしょうか?
そしてすっぽんの旬にはどのような理由があるのでしょうか?
すっぽんの旬は秋から冬にかけて
すっぽんの旬は、一般的に秋から冬にかけての寒くなってくる時期といわれています。
すっぽんは、水温が15度を下回る10月~11月頃になると、ほとんど餌を食べなくなり冬眠に入ります。
冬眠の前にはたくさんの餌を食べて栄養を蓄えるため、冬眠前が一番栄養価が高く美味しくなると考えられているのです。
かつてすっぽんは夏が旬だった
ところが、かつてすっぽんは夏の風物詩でした。
江戸時代後期、夏になると金魚売りが「金魚~すっぽん、金魚~すっぽん」と言いながら金魚とすっぽんを売り歩いたといいます。
なぜ今のすっぽんの旬は寒い時期なのに、昔の旬は夏だったのでしょうか?
それには養殖か天然かが関係しています。
当時はまだ養殖が進んでおらず、売られているのは全て天然のすっぽんでした。
すっぽんは冬眠してしまうと捕獲する方法がなく、活発に活動している夏に捕獲するのが一般的だったのです。
養殖ものの旬
現在では、すっぽんは養殖技術が確立し一年中味わうことができる食材ですが、養殖の方法によってすっぽんの旬には違いが出てきます。
すっぽんの養殖には、露地養殖と加温養殖という二つの方法があります。
露地養殖
露地養殖は、すっぽんを自然の環境に近い方法で養殖するやり方です。
この方法では、本来のすっぽんの習性にならって冬眠をさせます。
天然ものと同様に冬眠前が旬のため、冬眠直前か冬眠が始まってから出荷を行います。
冬眠中には成長が遅くなり、出荷サイズになるまでに3~4年もの時間がかかります。
販売価格は高いですが、この方法で育ったすっぽんは脂が乗って美味しいといわれます。
加温養殖
加温養殖は、季節に関係なく水温や室温を一定に保つことで冬眠をさせない養殖方法です。
冬眠しない分、一年中餌を食べ成長し続けることができます。
肉質は一定でいつ食べても安定的に美味しく、旬は通年です。
すぐに出荷サイズになるため、販売価格も安くなります。
旬の時期にはすっぽんを食べよう!
旬の食材は体にいいという昔からの言い伝えは、すっぽんにも当てはまります。
これから寒くなるという秋から冬にかけての季節には、体調を崩す人も増える時期です。
栄養たっぷりで美味しいすっぽんを鍋などにして食べ、体の芯から温まりましょう。