すっぽんはカメと何が違うの?

すっぽんといえば、どのような姿を思い浮かべますか?
生で見たことのある人は少なくても、カメのような生きものであることを知っている人は多いでしょう。
しかし、すっぽんとカメには大きな違いがあるのです。

今回は、すっぽんとカメにはどのような違いがあるのかについて、詳しくご説明します。

すっぽんとは

すっぽんは、爬虫綱カメ目スッポン科に分類される生きものです。
カメ目という分類が示すように、すっぽんはカメの一種です。
日本で一般的に食されるすっぽんはニホンスッポンと呼ばれる種類で、シナスッポン、ヒガシアジアスッポン、キョクトウスッポンの別名があります。

本州以南の沼などに生息し、カメに似て甲羅から首と四肢が出ています。
甲の長さは38cmほどのものから、大型のものは60cmにもなることがあります。
日本と中国では滋養強壮や美容に良いとされ、高級食材として知られています。

カメとの違い

一見、カメとスッポンはよく似ていますが、両者にはいくつかの明らかな違いがあります。

甲羅のつくり

カメとすっぽんの最も大きな違いは、甲羅のつくりとウロコの有無です。

カメの甲羅がとても硬いのに対して、すっぽんの甲羅は柔らかく、弾力性があります。
なぜならカメの甲羅は背骨が変化してできたものですが、すっぽんの甲羅は皮膚が変化してできたものだからです。

また、他の爬虫類同様、カメの皮膚の表面にはウロコがいくつもありますが、すっぽんにはウロコがありません。

スッポンも甲羅自体は食べられませんが、甲羅の周辺にあるエンペラというコラーゲン豊富な部分は、煮込むことでより柔らかくなり、美容効果を求める女性に人気です。
また、甲羅は細かく粉末状にして、サプリメントの材料に使われることも多くあります。

生態

カメの生活の中心は陸の上で、昼間日光にあたることでビタミンDを合成し、甲羅を構成するカルシウムの吸収を促したり、代謝を高めたりしています。

一方、スッポンは大きな水かきをもち、長い首を水上へ伸ばすことで酸素を得ることができるため、カメよりも水中生活に適しています。
さらに、甲羅が皮膚でできているスッポンには日光浴の必要もないため、基本的な活動時間帯は夜です。

歯の有無

カメの中には一部歯をもつ種類がいますが、スッポンには歯がありません。
にもかかわらず、「スッポンは一度噛み付くと雷が鳴っても離さない」といわれます。
それは顎の力の強さゆえで、無理に振り払おうとすると大怪我をするほどです。

万が一噛まれてしまった場合は、落ち着いてそのまま噛まれた箇所ごと水中につけます。
そうすれば、もともと臆病な性格のスッポンは、すぐに泳いで逃げ出してしまいます。

すっぽんとカメにはさまざまな違いがある!

一見すると見た目の似ているすっぽんとカメですが、実はかなり違う生き物なのです。
水族館などで展示されていることがあったら、じっくり観察してみましょう。

[出典]
すっぽんとかめってどう違うのか