すっぽんは料亭や専門店で食べるもの、という認識が一般的です。
しかし、お店で食べるすっぽんは高級料理で、手が届きにくいですよね。
もし自分で調理できたら、手頃な値段で食べられるのに、と考えたことはありませんか?
それにはまず、すっぽんのさばき方を習得することが大切です。
四つおろし
すっぽんのさばき方の一つに、四つおろし(または四つほどき)があります。
多くの専門店でも用いられている方法で、甲羅を外し、4本の足を分けてさばいていくことからその名がつけられました。
今回は、この四つおろしですっぽんをさばいてみましょう。
必要なもの
- 出刃包丁
- まな板
- 布
- ボウル、ザル
- 日本酒か赤ワインを入れたコップ
出刃包丁などの大きくてよく切れる包丁と、すっぽんをのせてもスペースに余裕ができるような、大きめのまな板を用意します。
布は、すっぽんに噛ませるために使用します。
ボウルやザルは部位ごとに分けられるよう、複数あると良いでしょう。
生き血を採取した際に血が凝固するのを防ぐため、コップにはあらかじめ日本酒または赤ワインを入れておきましょう。
さばき方
必要なものが用意できたら、早速以下の手順ですっぽんをさばいていきましょう。
首を落とす
まな板にすっぽんをのせ、布を噛ませます。
もし手伝ってくれる人がいれば、甲羅と首を押さえてもらい、噛みつかれないよう注意しながら、包丁を持たない方の手で首を引っ張り出します。
次に、甲羅とその周辺のエンペラと呼ばれる部分の境目に包丁の先で切り込みを入れます。
すると、血が溢れてくるので首を下にしてお酒の入ったコップに生き血を注ぎましょう。
血抜きが終わったら、首を引っ張ったまま根本から切り離します。
ここまでは、ためらわず一気に行うのがコツです。
甲羅をはがす
次は、先ほど血抜きのために入れた切り込みから、ぐるっと一周甲羅の周りに包丁を入れていきます。
甲羅をはがし、残ったエンペラの後ろ脚の間と、左右を切っておきます。
内臓の処理をする
すっぽんは捨てるところが少ないといわれていますが、内臓では食べられないところが2箇所あります。
食べられないところを取り除き、食べられる場所を適切に処理しましょう。
膀胱を取り除く
膀胱は、排尿器官からたどって下半身の臓器をより分けていき、白い袋のようなものを探します。入っている尿が少ない場合は、縮んでいて少し分かりにくいかも知れません。
できるだけ慎重に、潰したり傷つけたりすることのないように取り除きましょう。
万が一潰してしまった場合は、臭いがまわる前に素早く流水で洗い流します。
胆のうを取り除く
胆のうは、「苦玉」とも呼ばれるほど苦味の強い部位です。
肌色をした肝臓にくっついている、青紫色をした丸い部位が胆のうです。
こちらも潰さないように取り除きましょう。
取り除いた胆のうは破棄しても良いですし、そのまま丸飲みにするか、熱燗に入れてお酒と一緒に飲み干すと、悪酔いなどに良いといわれています。
腸の処理をする
腸は、包丁の背で内容物をしごき出し、開いて洗っておきます。
卵をよけておく
冬場のすっぽんのメスには卵が入っていることがあります。
一匹のすっぽんに十数個しか入っていない貴重なものなので、大切に取り出しておきましょう。
他の内臓は食べられますので、ボウルなどにいれておきます。
足を切り離す
すっぽんの体をひっくり返し、2本の前足の付け根あたりから斜めに包丁を入れ、骨をよけながら胴体から前足を切り離します。
後ろ脚も付け根からそれぞれ包丁を入れて切り離します。
足には硬い爪がついていますので、包丁で根本から切り落として取り除きます。
薄皮をむく
甲羅と3-4で切り離した足と胴体は、沸騰寸前のお湯でさっと湯がいておきます。
すると緑色の薄い皮が剥がれてきますので、きれいにむいておきましょう。
薄皮は直接泥と接する部分のため泥臭く、むいておいた方が味が良くなります。
さばいたすっぽんの食べ方
さばいたすっぽんには、部位ごとにおすすめの食べ方があります。
肝臓や腸は、生のまま刺し身で食べることができます。
取り出したらすぐに冷蔵庫に入れておき、その日のうちに食べるようにしましょう。
甲羅やエンペラは、他の内臓や肉と一緒に鍋で食べるのがおすすめです。
コラーゲンがたっぷりなので、煮込めば煮込むほどぷるぷるとした柔らかい食感が楽しめます。
コラーゲンやお出汁がしみ出たつゆは、最後に雑炊にして一滴残らずいただきましょう。
卵は鍋で他の部位と一緒に煮込むのももちろん美味しいですが、醤油漬け、味噌漬け、塩漬け、焼酎漬けなど珍味としての食べ方も楽しむことができます。
肉はどんな料理にも合いますが、特に唐揚げや煮物にして食べるのが人気です。
さばくことができたら、ぜひお好みの食べ方ですっぽん料理を味わいましょう。