すっぽんには、脂肪酸と呼ばれる成分が含まれています。
脂肪酸についてあまり知らない人は、「脂肪」と聞くだけであまりいいイメージをもたないかも知れません。
ところが、私達の身体になくてはならない大切な栄養素で、しかもすっぽんに多く含まれている脂肪酸は健康維持に役立つのです。
すっぽんに含まれる脂肪酸の種類と、その役割を確認しましょう。
脂肪酸とは
脂肪酸とは、肉や魚、牛乳、植物油などの脂肪分の約9割を構成する成分で、脂質と同じ意味です。
炭水化物、糖質とともに3大栄養素のひとつに数えられ、その中で最も効率よくエネルギーを産生できるといわれています。
脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。
すっぽんには、その両方が含まれています。
飽和脂肪酸とは
すっぽんには、可食部100gあたり2.66gの飽和脂肪酸が含まれています。
バター、ラード、肉などの動物性脂質に多く含まれ、常温で固まるという特徴をもっています。
例えば、豚ばら肉の脂質1gあたりに含まれる飽和脂肪酸は412mgです。
それに対し、すっぽんの脂質1gあたりに含まれる飽和脂肪酸は198mgと少なく、豚ばら肉の半分以下です。
飽和脂肪酸は、摂りすぎると悪玉コレステロールを増加させます。
悪玉コレステロールは、血中の中性脂肪を上昇させ、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの重篤な病気の原因のひとつです。
不飽和脂肪酸とは
マグロ、サバなどの魚類や、オリーブオイル、ごま油などの植物油に多く含まれています。
サラサラとした液体で、常温でも固まりにくいという特徴があります。
不飽和脂肪酸には、飽和脂肪酸とは反対に、血中の中性脂肪値やコレステロール値の上昇を抑える働きがあります。
すっぽんに含まれる不飽和脂肪酸
すっぽんに多く含まれる不飽和脂肪酸は、さらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
一価不飽和脂肪酸
すっぽんの可食部100gには、5.43gの一価不飽和脂肪酸が含まれています。
代表的な一価不飽和脂肪酸はオレイン酸で、オリーブオイル、ひまわり油などの植物油や、マカダミアナッツなどのナッツ類に豊富です。
オレイン酸は、悪玉コレステロール値を調節し、心臓などの循環器系疾患の予防に役立ちます。
多価不飽和脂肪酸
すっぽんの可食部100gには、3.36gの多価不飽和脂肪酸が含まれています。
多価不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸よりも悪玉コレステロールを抑制する効果が高いといわれています。
特にDHA、EPA、リノール酸が豊富で、すっぽんはn-3系、n-6系脂肪酸をどちらもバランスよく含んでいます。
n-3(オメガ3)系脂肪酸
魚類に含まれるDHA、EPAと、ごま油のような植物油に含まれるαリノレン酸はn-3系脂肪酸です。
DHAには、高血圧や高脂血症を予防する効果があります。
EPAには、血栓が造られるのを防いだり、動脈硬化や高脂血症を予防する効果があります。
n-6(オメガ6)系脂肪酸
ひまわり油のような植物油に含まれるリノール酸、からすみやくじらなどに含まれるγリノレン酸、鶏卵などに含まれるアラキドン酸は、n-6系脂肪酸です。
リノール酸には、血中コレステロール値を低下させる効果があります。
すっぽんで良質な脂質を摂ろう!
すっぽんには、健康的で良質な不飽和脂肪酸が豊富です。
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