「すっぽん」と呼ばれる由来は?

カメと似た生きもので、高級食材やサプリメントの材料としても有名なすっぽん。
「すっぽん」という名前は、どこか特徴的な響きをしていると思ったことはありませんか?
擬音語ともとれるような不思議な名前ですが、その由来は何でしょうか?
諸説ある中から、興味深いものをご紹介しましょう。

「すっぽん」の由来

擬音という説

いくつかある中で最も有力な説といわれているのが、この「擬音」説です。

すっぽんはとても臆病な性格で、人を見かけるとすぐに川や沼などに飛び込んで身を隠します。
水に飛び込む際に聞こえた「ずぼん」「ずっぽん」「しゅっぽん」などという音が、「すっぽん」という名前に転じたともいわれています。
「すっぽんの名は飛び込んだときに付け」と詠まれた川柳も存在します。

日本人は何かと日常会話の中や物の名前に擬音語を多用するため、この説が有力視されているのではないでしょうか。

鳴き声からきたという説

すっぽんの鳴き声が太鼓を打つ時のような「スホン」、「スポン」という風に聞こえたため、ともいわれています。

ところが実際には、すっぽんはあまり声を上げて鳴くことはありません。
たまに「スー」、「スピー」などと呼吸音が漏れるくらいで、もしかしたらこの説は「そのように鳴くのではないか」というイメージによって出てきたものなのかもしれません。

言葉の訛り説

すっぽんは水の中から姿を表しますが、すっぽんが「出没」したという言葉が訛って、「しゅつぼつ」から「すっぽん」という言い方に変わっていったという説もあります。

昔の漢字表記からきたという説

かつてすっぽんのことを「寿都保無」(すつほむ)と書き表したため、それが訛って「すっぽん」と読まれたという説もあります。

ポルトガル語説

すっぽんの首の見た目が似ていることから、ポルトガル語で男性器を表す「スボ」という言葉が「すっぽん」に変わったという説もあります。

すっぽんの由来は明らかになっていない

すっぽんの由来にはこれだけの説がありますが、これまでに真偽のほどは明らかになっていません。
どれが本当だったとしても面白いですが、初めて見たすっぽんというカメにその名を与えた人には、一体どんな生きものに見えたのでしょうか。